校長あいさつ

式 辞

 日野の山々が早い春を迎え、麗らかな陽気に包まれたこの良き日に、日野町長 﨏田淳一(さこだ じゅんいち)様、PTA会長 西村和宏(にしむら かずひろ)様、同窓会長 内田博長(うちだ ひろみち)様のご臨席を賜り、保護者のみなさまのご出席のもとに、鳥取県立日野高等学校第二十四回入学式をこのように挙行できますことは、本校にとってこの上ない喜びであり、心より感謝申し上げます。

  ただ今、入学を許可いたしました十九名の新入生のみなさん、入学おめでとうございます。みなさんの入学を心から歓迎いたします。また、保護者のみなさまにおかれましても、お子様の御入学のお慶びはひとしおのことと存じます。本校を代表して心からお祝い申し上げます。 

 日野高等学校は、百三年前に創立された「日野産業高等学校」と「根雨高等学校」の両校の教育を引き継ぎ、平成十二年に開校した高等学校です。みなさんは、この日野高等学校の第二十四期生となります。前身の二校も含め、我が校は日野郡内外、様々な分野で活躍する人材を数多く輩出してきました。

この日野高等学校は総合学科であり、「普通学科」と「専門学科」の枠を超えて総合的な学習ができ、生徒一人一人の適性や個性を伸ばし、自己実現を目指す学科です。本校では、多様な選択科目の中から自分の興味関心や進路目標に応じた科目を選択し、自分の道を切り開きながら学習していくことができます。

そして、本校は「これからの社会に向け、たくましく生きるための学力や豊かな人間性を育み、地域社会の発展に貢献できる人材を育成する」を、教育目標としています。私たちはこの目標を達成するために、みなさんが未来へ羽ばたくためのチカラをしっかりと身につけることができるよう教職員一同力を合わせて取り組んでいきます。新入生のみなさんには、学習や部活動などに一日一日、しっかりと取り組んで欲しいとお伝えします。日々の積み上げ、努力がなければ、夢や目標に近づけるためのチカラを身につけることができないからです。努力は人を裏切りません、努力することはたとえ壁にぶつかったとしても、それを乗り越えるだけのチカラとなってくるでしょう。

今後、みなさんに求められることは、急速にそして複雑に変化する社会の中で、いかに自分らしく、そしてたくましく生きていくチカラを身につけていけるかです。自ら課題を発見し、自分の思いや考えを言葉に代え、それを仲間と共有し、課題の解決へ導いていくことが大切なのです。このことが三年後の進路決定や社会での貢献に大きなチカラとなるでしょう。

本校には、多くの出会いがあります。今日ここに入学してきたみなさんとの出会い、教職員との出会い、地域のみなさまとの出会いなど様々です。一年次の「産業社会と人間」、二年次の「日野探究Ⅰ」、三年次の「日野探究Ⅱ」、社会人講師など日々の学習活動の中で、延べ二百人以上におよぶ地域の様々な職業や年齢層の方と連携・協働する取り組みが展開されます。出会いは人を成長させてくれます。出会いのない人生はありません。私も今までたくさんの人に出会い、そこでたくさんのことを学び、共感し、刺激を受け、未来の自分を創造し成長してきました。その成長は、今後もしっかりと続いていくでしょう。そして出会いは、自分を見つめ大切にしつつ、他者を思う気持ちを増幅させていくことでしょう。

本年度は新入生十九名のうち、県外から四名の新入生を迎えました。県内だけではなく県外の様々な地域から集まった、様々な思いや考えを持った仲間と共にいろいろなことに果敢に挑戦してください。また十九名にそれぞれに違いがあることを実感してください。その違いをきちんと認め合ってください。多様な価値観を持つ仲間とともに楽しみ、ともに喜び、ともに笑い、ともに学んでください。仲間とともに、この日野高等学校で学ぶことは、みなさん一人一人の成長、未来に大きく繋がっていくことでしょう。しかし、時として、苦しみや悩みがおとずれるかもしれません。そのときは、遠慮せずに教職員に相談してください。私たちでみなさんを支えていきます。

 結びに、保護者のみなさま、私達、教職員一同、縁あってお預かりする新入生に対して、素晴らしい大人、素晴らしい社会人に成長されますよう精一杯努力してまいる所存です。学校と家庭がそれぞれの役割を果たしながらも、連携を密にしいてくことが重要だと存じます。本校の教育に、どうぞご理解とご協力をいただきますようお願いいたします。

 本日、ご臨席いただきましたみなさま方に重ねて感謝を申し上げますとともに、新入生の本校での高校生活が充実し、輝かしい三年間となることを期待し、式辞といたします。

令和五年四月十日  

鳥取県立日野高等学校

校長 坪倉 寿樹